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霜降り肉にクギズケ!

2017.03.31

『上沼・高田のクギズケ!』出演経験をふまえ、クレーム対応コンサルタント視点で芸能ニュースを分析することに挑戦してまいります。

さて、芸能ニュースではないのですが、老舗すき焼き店が「もう霜降り肉は出さない」と宣言したというニュースについて。
▼老舗すき焼き店が「もう霜降り肉は出しません」!
http://bunshun.jp/articles/-/1317
文春オンライン 2017.02.08

ご主人にしてみればよくよく深いお考えがあってのことと思いますが、霜降り肉がなくなると世の中にクレームが増えちゃうかも!?

実は美味しいお肉を食べると、「オキシトシン」と「セロトニン」という2大ハッピーホルモンが分泌され、怒りを和らげたりイライラを解消したりすることができるのです。オキシトシンは他人への信頼や愛情を高める働き、セロトニンは心に安らぎを与える働きがあります。

また、幸福感や高揚感をもたらす脳内物質である「アナンダマイド」の効果を得るにも、霜降り肉を食べることが必要です。

だから世の中から霜降り肉がなくなると、怒りっぽい人が増えて、企業に届くクレームも増えちゃうかもしれませんね!ご用心。

山本裕典さんの契約終了にクギズケ!

2017.03.27

『上沼・高田のクギズケ!』出演経験をふまえ、クレーム対応コンサルタント視点で芸能ニュースを分析することに挑戦してまいります。

さて、俳優の山本裕典さんと所属事務所との契約が終了になったというニュースについて。
山本裕典、所属事務所から契約解除されるも「法的な問題を起こしたわけではない」
 週刊女性PRIME  2017.03.21

いったい契約終了の原因は何なのか?後追い記事ではご本人のプライベートが取り沙汰されていますが、このニュースで私が注目したのは事務所の告知文です。社会との信頼関係を守ることを目的とした企業のコミュニケーション活動としては、お手本にしてもいいほどの出来ではないでしょうか。

その理由を、簡単に解説してみたいと思います。
※青字が事務所の告知文です。

 

いつも山本裕典ならびに弊社所属のタレントへの応援、誠にありがとうございます。

導入部分は、日頃の御礼です。
まず謝意を示すことで、この告知文を目にする方々の存在を最優先で尊重していますという、誠実な企業姿勢を印象づけています。

この度、マネージメントをしておりました山本裕典が弊社とのマネージメント業務委託契約の内容に違反したため2017年3月21日付けで山本裕典とのマネージメント業務委託契約を終了することにいたしました。

結論から報告することで、この告知文で何を伝えたいのか読み手にすぐわかります。また、結論を先に知ることで、読み手にはその後に続く状況説明を聞く態勢が整います。

本日まで数えきれないほど、山本裕典本人と話し合い、何度も熟考を重ねました。しかしながら、本日までの一連の諸事情を鑑み、山本裕典が弊社の考える基準に至らなかったため、契約内容に違反したと考え、断腸の思いで、契約を終了することにいたしました。

この短文に、読み手に強く印象づけるキーワードが5つあります。

「数え切れないほど」「何度も熟考を重ね」
浅はかな考えで短絡的に決めたわけではない、とメッセージしています。

「一連の諸事情」
複数の要因がある、決して1つの事柄だけが原因ではない、とメッセージしています。

「基準に至らなかった」
あくまでも当社が求める基準を満たしていなかっただけで、山本さんのタレント性や人柄が劣っているわけではない、とメッセージしています。

「断腸の思い」
冷酷に事務的に決断したわけではなく、のたうちまわるほどの苦しみの中でやむを得なく辛い決断をした、とメッセージしています。

デビュー以来11年もの間、山本裕典を多くの人たちを魅了する俳優にするべく一緒に精進し、苦楽を共にし、彼の俳優として生きる姿勢を支えてきました。そのため、このような結果は、非常に残念であり、私共の指導力不足を痛感しているところでもあります。

事務所としては精いっぱいの努力をもって山本さんの芸能活動をサポートしてきた、手を抜いたマネジメントをしたわけではない。しかしながら、結果として契約終了に至ったのは事務所の努力が足りなかったからだと、山本さんを責めることなく、謙虚に自省の弁を述べることで好感が生まれます。

今まで長年にわたり山本裕典を応援していただいたファンの皆様、支えていただいた関係者の皆様、ご期待に添うことができず、大変申し訳ございませんでした。

この告知文を目にする方々のショック、憤り、哀しみ、不満などの感情問題に配慮した一文です。この共感の一文が加わることで、読み手は「私の気持ちをわかってくれている」と満足を感じ、多少なりとも気持ちが慰められます。

これからは別々の道を歩む事になりますが、今後山本裕典がどのように歩を進めていくのか、温かく見守っていただけたら幸いです。

辛い結果ではあるが円満に解決している、事務所として遺恨はない、とメッセージしています。

今後も、弊社社員一同、皆様に感動を与えられるような俳優たちを育て、苦楽を共にしながら、さらに精進してまいる所存でございます。今後ともご支援とご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

最後は前向きなご挨拶で締めることで、ポジティブな印象を残すことに成功しています。

 

企業が騒動について情報発信する場合、社会の信頼を得たいのであれば、まず企業としての謝意と責任の表明は外せません。「こちらに責任はない。悪いのは相手だ」という心情で用意された文章は、行間からその企業姿勢がにじみ出て、読み手に不快感を与えてしまいがちです。悪くすると責任逃れと受け止められ、強い批判を呼び込んでしまうこともあります。

読み手にハレーションを起こしにくい文言、いざという時のためにストックしておくことをお勧めいたします。

加護亜依さんとシワシワネームにクギズケ!

2017.03.24

『上沼・高田のクギズケ!』出演経験をふまえ、クレーム対応コンサルタント視点で芸能ニュースを分析することに挑戦してまいります。

さて、元モーニング娘。の加護亜依さんがお子さんにシワシワネームをつけたというニュースについて。
▼加護亜依の長男は「義継」古風なシワシワネームが大ブーム
http://www.news-postseven.com/archives/20170307_498808.htm
NEWSポストセブン 2017.03.07

シワシワネームとは、昔ながらの古風な名前のこと。

仕事柄、企業の人事部の管理職と話をする機会が多いのですが、ほとんどの管理職がキラキラネームにポジティブな印象は持っていません。

変わった漢字の組み合わせならまだしも、読み仮名でゲームや漫画のキャラクター名をトレースしていたり犯罪を推奨するような名前だったりすると、非常識な家庭環境が透けて見えるため、本人も非常識だろうと判断されてしまうリスクが。

生まれたばかりの愛する我が子に大好きなモノやコトに関連した名前をつけたい親御さんの気持ちはわかりますが、名前はお子さんが生まれて初めて手にする名刺です。世の中の人がその名前を知ってどういう印象をもつか、届を出す前に一回、客観的に考えてみてほしいと思います。

ノンスタ井上さんの謝罪会見にクギズケ!

2017.03.22

『上沼・高田のクギズケ!』出演経験をふまえ、クレーム対応コンサルタント視点で芸能ニュースを分析することに挑戦してまいります。

さて、3月上旬に行われたノンスタイルの井上裕介さんの謝罪会見について。
▼ノンスタ井上裕介、涙の謝罪会見
http://huff.to/2mLFNOG
ORICON NEWS 2017.03.08

会見では事実問題(起こった事故)と感情問題(井上さんの気持ち)と2点について言及がありましたが、事実問題をずいぶんボヤかした言い方で応答しているなと感じました。たとえば、逮捕時は「大変なことになると思って逃げた」と本人が接触したことを自覚していたとする警察発表がありましたが、今回の会見では「(接触はなかったのではないかと)自分に都合の良いようにとらえて」と重ねて発言していました。

被害者の方に誠実な謝罪をして一応の解決はなされたようですね。
しかしながら、今回の騒動について虚偽やごまかしなど万が一にも誤った公表がなされ、それが周知された場合、これまで以上の社会的批判を浴び計り知れないダメージをもたらしかねないことを知っておいていただきたいと思います。

被害者の方だけでなく、社会に向けていかに誠実な対応を行えるかについても視聴者は見ています。謝罪会見は、不誠実な内向き発想を捨てることが成功要因のひとつです。

相方の石田さんの愛あるツッコミが称賛されています。その愛が裏切られる結果を呼ばないようにと願ってやみません。

高畑淳子さんのテレビ復帰にクギズケ!

2017.03.20

『上沼・高田のクギズケ!』出演経験をふまえ、クレーム対応コンサルタント視点で芸能ニュースを分析することに挑戦してまいります。

さて、一ヶ月ほど前の話題ですが高畑淳子さんのテレビ復帰について、ご子息の事件に触れなかったことが取りざたされました。
▼高畑淳子がTV復帰 涙流すも息子裕太の事件触れず
http://bit.ly/2nUVR0O
日刊スポーツ 2017.02.14

記者会見ではなく番組復帰ですから、よそ様の軒先を借りてご自分の心情を吐露するオンステージにしてしまうのは場違いなので、致し方なかったことかと存じます。
番組の主役はゲストの方ですしね。

ただ、番組をご覧の皆様への「ご挨拶」は必要だったのではないかなと考えました。
社会人だったら、自己都合で長期休業したら周囲に挨拶してまわりますよね。「今日から復帰しました。またよろしくお願いします」と。

・出演者としての責任が果たせなかったお詫び
・ご心配くださったことへの御礼
・これからのおつきあいのお願い

「手前勝手な事情で5か月もお休みしておりました。その節は、視聴者の皆さまに多大なるご心配をおかけしまして誠に申し訳ございませんでした。改めまして、本日よりどうぞよろしくお願い申し上げます」ぐらいなら、20秒もあれば伝えられます。

なにも触れずにシレッと番組進行してしまっては、視聴者もどのように受け止めていいか戸惑うばかりですし、「礼儀がなっていない」と厳しい目で見られてしまう可能性もありました。

不祥事が発生した際に気をつけなければならないのは、法的責任と道義的責任(=社会的責任)をわけて考えることです。法的に問題がなかったとしても、世の中をお騒がせし、ご心配やご迷惑をおかけしたことに対する謝罪は、社会に受け入れてほしいのであれば必要です。

清水富美加さん芸能界引退にクギズケ!

2017.02.20

読売テレビ『上沼・高田のクギズケ!』に専門家パネラーとして出演しています。

このたび、番組収録時の言葉足らずを解消するために、ブログやFacebookなどでフォローアップをしようと考えました。クレコン視点で芸能ニュースを分析する記事に関心をお寄せいただければ嬉しく思います。 

さて、今回は清水富美加さんの芸能界引退ニュースについて。
▼清水富美加が芸能界引退へ
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1777779.html
日刊スポーツ 2017.02.12

最近、ご本人の出処進退に関して、スキャンダラスな話題が芸能界で増えているように感じています。これらの騒ぎを耳にして、私はハインリッヒの法則が頭に浮かびました。

ハインリッヒの法則とは「129300の法則」とも言われる労働災害についての経験則のことです。1つの重大事故の背景には29の小事故があり、その裏には300ものヒヤッとした異常があると言われています。

結婚生活で例えるならば、「離婚」という一大事の背景には29の深刻なケンカまたは離婚理由があり、その要因は日常生活における300の不平不満である…と申し上げるとご理解いただけますでしょうか。29も離婚理由があるから、「離婚の原因は?」と質問されてもすべてを披露できず、『性格の不一致』や『お互い多忙で』など当たり障りないザックリした一言回答になってしまうわけですが、これはまた別のお話。

逆にいえば、日常に潜む300のヒヤリハット要因を抽出分析して29の小事故に適切な対処を行えば、1つの重大事故は防げます。日頃の違和感を見逃さず、なにかちょっとしたトラブルであるうちに周りの方々が適切に対処していれば、今回のような大騒動は避けられたかもしれません。

斎藤工さんと女子大生にクギズケ!

2017.01.16

2016124日から読売テレビ『上沼・高田のクギズケ!』に専門家パネラーとして出演しています。

高視聴率を誇るこの番組では、その週のさまざまなニュースをクレーム対応コンサルタント(以下クレコン)として独自に分析し、新しい解釈をお届けすることが期待されています。

事前アンケートと綿密な打合せを経たうえで収録現場にてコメントしていますが、私の言葉が足りなかったり説明が至らなかったりすることがあると自覚しております。視聴者の皆さまのお楽しみを私の力不足にて害してしまっているならば、心からお詫び申し上げたく存じます。

このたび、上記の反省を踏まえ、ブログやFacebookなどで番組コメントのフォローアップをしようと考えました。クレコン視点で芸能ニュースを分析する記事に関心をお寄せいただければ嬉しく思います。

さて、まずは124日放送の斎藤工さんと女子大生の一夜の恋の話題について。
美人女子大生が斎藤工にLINEで誘われた一夜を告白
http://www.news-postseven.com/archives/20161117_467299.html

NEWSポストセブン 2016.11.17

一連の報道で、私が注目したのは斎藤さんの事務所の回答でした。

事実関係を下手にごまかさないで正直に認めたことと、相手の女性を尊重した物言いをしたことは好感がもてます。相手の言い分に反論したい点があったかもしれませんが、ディテールの真偽にこだわらず、「すでに終わっております」という短い一言にニュアンスを含ませたのはお上手で感心しました。

対応を誤った場合、相手の感情をこじらせ、泥沼化の果てに連日ネガティブ報道されてしまう危険性がありました。危機管理の点において、今回の事務所対応はファインプレーでした。

斎藤さんはもともとセクシーなイメージが強い俳優さんですので、こういった話題がご本人の評判に大きくキズをつけることはないと考えます。かえってキャラクターに陰影がついて良い結果となったのではないでしょうか。

国連UNHCR協会でセミナー開催

2016.12.05

このたび、特定非営利活動法人国連UNHCR協会から支援者とのより良いコミュニケーションスキルに関するセミナーのオファーを受け、インナーセミナーの講師を務めてまいりました。

国連UNHCR協会は、国連の難民支援機関である「国連難民高等弁務官事務所」の活動を支える日本の公式支援窓口です。

国連UNHCR協会の活動資金は、各国政府からの任意の拠出金ならびに民間からの寄付金に支えられていますが、もっと広く民間からも支えていこうという機運が世界的に高まり、日本では200010月に民間の公式支援窓口として設立されました。

支援者の信頼に誠実に応えるためのビジネススキル、より良いコミュニケーションのための心構えなどについてお話をさせていただきました。

セミナー後の質疑応答も活発で、協会スタッフの皆さまの熱意に圧倒された2時間半でした。

支援者の温かい心と難民との懸け橋となるべく、「困っている人のために何か役に立ちたい」というシンプルで力強い志を胸に、日々活動されている協会スタッフの皆さまの一助となれたことに感動を覚えたこのたびの経験でございました。

▼国連UNHCR協会
http://www.japanforunhcr.org/

千葉県職員 電話相談者に暴言

2016.05.07

千葉県が「あってはならない発言」と断じた暴言を口にした男性職員は、「話をする中で同じようなやり取りの繰り返しになり、伝えようとしていたことに納得してもらえず、つい感情的になってしまった」と説明したそうです。

実際の応答記録を確認したわけではないので、あくまでも推測の域を出ないのですが、男性職員の「聴く力」「話す力」に残念ながら不足があったのではないでしょうか。

すべてのお客さまが要領よく話ができるとはかぎりません。お客さまの間違った思い込みや知識不足から相談がスタートすることもあるでしょう。相談内容が理解できないのであれば、適切な質問によって相談内容の主訴をしっかりと聴き取らなければ、その後の回答や案内も曖昧で的外れなものになってしまいます。

お客さまの真意を聴き取り、正確にわかりやすく回答するにはプロとしてのスキルが必要ですが、お客さまが対応に満足するか否かは、その根底に「親切丁寧」のマインドがあるかどうかで大きく左右されます。これは公民問わず、どんな業界どんな職種でもあてはまる真理です。

また、対応中に感情的になってしまう原因のひとつに、担当者が「個人攻撃されている」と受け止めてしまうことにあります。「お客さまは自分を通して組織に言っているんだ」という視点を見失わず、対応品質や資質の向上に努めましょう。その努力を怠る担当者は、いつまでたっても単純な問い合わせをクレームに、クレームをいちゃもんにこじらせ続けることになりかねません。

「おまえ、いいかげんにしろ」 職員、電話相談者に暴言 千葉県印旛保健所
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/318596

三菱自動車 燃費不正

2016.04.22

企業の不正行為を報じる記事を目にするたびに、「この企業の顧客接点たる社員さんへのフォローアップは適切にされているのだろうか」と老婆心ながら心配になります。

記者会見で世間に向けて頭を下げる経営陣の後ろには必ず、直接のお客さまに対面で謝罪する大勢の現場社員の存在があります。一度ならず二度までも失ってしまった顧客の信頼をとりもどすのは容易なことではありません。

不祥事が発覚した直後の過酷な環境において、まず矢面に立たされる現場社員のメンタルヘルスケアはもちろん、「迅速で適切で誠実な顧客対応」について本部がどれだけバックアップ体制をとれるかが危機管理のキモとなります。

消費者の信頼裏切った三菱自の燃費不正
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO99950580S6A420C1EA1000/