ブログ
「食のブランド」偽装問題
なぜ相次ぐ食品偽装? 背景に4つの理由
日経経済新聞 2013.12.3
メニューと違う食材を使っていた――ブランド力のあるホテルでの発覚に端を発した食品偽装問題で揺れた2013年。過去にも産地偽装、原材料偽装、消費期限・賞味期限偽装など食品偽装問題は世間を騒がせてきましたが、今回、特徴的だったのは「食の安全」を偽装したことではなく「食のブランド」を偽装したことです。
お客さまがこれまで支払ってきたのは、差別化された価値に対しての対価です。「ブラックタイガー」ではなく「車海老」に、「通常の野菜」ではなく「オーガニック野菜」に、「ブロイラー」ではなく「京地鶏」というブランド価値に対して支払われたのです。
複数のホテルやレストランで提供されてきたその価値が虚偽であったという事実は、「誤表示だった」などといった軽々しい問題にすり替えるべきではありません。
お客さまの心情は間違いなく「だまされた」の一言につきます。顧客の信頼を大いに損なう行為であったことを、関係者は真摯に受けとめるべきでしょう。
また、長い期間を通してブランド価値を高め、守る努力をしてきた産出者の方々への侮辱行為であることも認識してほしいと思います。
こういった事件報道のあとは必ず、自己防衛が過ぎるあまり疑心暗鬼になる消費者が現れてきます。日々の努力から築き上げられてきた消費者と企業の信頼関係にヒビを入れた愚かな利益追求姿勢を、当事者たる経営陣は猛省し、改めて顧客志向経営に立ちかえってほしいものです。
tag : お客さま | ブランド | ブランド価値 | 差別化された価値 | 虚偽 | 誤表示 | 顧客の信頼 | 食品偽装問題
category : ケーススタディ