ブログ

JR北海道 線路異常を放置

2013.09.24

【JR北海道異常放置】まひした安全意識と責任感…赤字路線と人手不足の逆境が作用?
msn産経ニュース 2013.9.24

貨物列車の脱線事故をきっかけに露呈したJR北海道の安全管理問題が連日報道されています。「JR北海道が補修を放置」「レール異常97カ所」「重大な法令違反の疑い」「行政処分も視野に対応を検討」――報道されるキーワードを拾うだけでも問題の大きさが浮き彫りになって見えてきます。

JR北海道社長は「保線の方法について風土や考え方が不足していた」と企業体質の問題を認め謝意を示しましたが、世間では「人命を軽視している」と厳しく批判する声がやみません。

企業の危機には、大別して2つの要因があります。自然災害や社会環境などに影響される「外部要因」と、各部門の業務における問題が起因となる「内部要因」です。今回のJR北海道の危機の発現は、後者によるものなのは明らかです。

補修の担当部長は「なぜ補修されなかったかわからない」と記者会見で述べていますが、企業としては、補修しないことで想定されるリスクを洗い出して、その発生を未然に防ぐリスクマネジメントを積極的に推進するべきでした。危機管理はCSRの観点で行われなくてはなりませんが、企業の社会的責任の重要性が全従業員に周知徹底されていなかったことが今の苦境を生み出しています。

リスクが顕在化した今となっては、クライシスマネジメントに基づいて対応する必要があります。対応本部を設置して事実確認を急ぎ、マスコミ発表などで迅速に情報開示し、監督官庁や関連機関や利用者など全方位に向けて誠実な対応を行わなければなりません。時間をおけばおくほど社会の信用はガタ落ちし、企業ダメージは累積の一途をたどります。

ここしばらくは、「お客さまの声」がJR北海道に殺到することでしょう。正義感から激しく糾弾する人、声高に無理な要求をする人、権威的で横柄な人、ただただ怒りをぶつけたい人、事細かな説明を求め続ける人――対応が難しいさまざまな「お客さまの声」が全国から届くのは想像に難くありません。

企業ダメージを最小限にとどめるには、いかに信頼回復を速めるかがカギです。そのためには利用者視点=顧客視点が欠かせません。社会から寄せられる一つひとつの「お客さまの声」に対して、組織をあげて説明責任を果たし、大多数が理解し納得できる回答に努め、満足度が高い解決策を実施します。これらの声を経営視点でとらえ、いかに将来の企業活動に活かすかが重要な課題であることを知らずして社会の信用を取り戻すことはできないという認識を、いまこそ組織で強く共有するべきです。

おすすめ講座
クレームを苦手に感じる方に向けた公開講座です。

メール講座
7日で学ぶCSクレーム対応講座 ご登録はこちらから
メールマガジン
ネガポジメールマガジン ご登録はこちらから